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エベレスト登山隊2019チベット登頂データ


昨日までに全隊員が帰国し、全てのスタッフが家に帰りました。
「エベレスト登山隊2019チベット」無事終了しました。
今回は、全員登頂とはなりませんでしたが、状況の悪い中、5月23日に、Mさん、ニマ・カンチャ・シェルパ、平岡竜石の3名が頂上に立つことができました。
そして、何よりも全員が無事下山できたことが、嬉しいです。

ニュースで報道されているように、今シーズンのエベレストの死者数は11人となりました。
ネパール側が9人、私達が登った中国チベット側が2人です。
例年ネパール側と中国チベット側を併せても、5~6人程度なので、非常に厳しいシーズンだったと言えます。

今年のエベレストは、冬季の積雪が少なく岩の露出が多く、ルート状況が厳しかったのに加えて、シーズン前半にサイクロンの襲来などもあり、天気が不安定だったので、登頂が例年より1週間程度遅くなって、登頂のチャンスが少なくり、ある特定の登頂日に登山者が集中しました。
報道されているように、私達が登頂した5月23日は、天気予報も良く、登山者が集中して、渋滞が発生し、私達も非常に時間がかかりました。
しかし、中国チベット側は、既に今年から入山制限をしており、ネパール側に比べると、まだましだったようです。
ネパール側で9名もの死亡者が出た要因として、今シーズンの登山許可数が381人と、過去最高を記録していた事が挙げられるます。

報道されているような死亡事故などは、本人の体力や、技術や、経験の不足が、最大の要因になっていると思います。
それに加えて、登山隊や現地エージェントの質の問題があります。
近年、シェルパがガイドとして自立して働くようになってきました。それはとても良いことなのですが、未だ玉石混交なのが実情です。
それに伴い、ネパールのエージェントも独自でエベレストの登山隊を募集するようになったのですが、その中で安い価格を売りにするエージェントも多く見受けられます。
安い価格のエージェントの中には、粗末な装備を使用して、あまり経験が無いシェルパをガイドとして雇用することにより、経費を節約して価格を安くしているケースが多々あります。
山の状況も良く、天気も良く、混雑もしていない状況で、順調に登山すれば、特に問題無く登頂もできるでしょうが、今年のように状況が厳しく、天気もあまり良くなく、混雑して時間がかかると、各人各隊の悪い所が露呈して、最悪の場合、死に至っているようです。

その反面、同じ状況であっても、多くの人は無事登頂し、下山しているのも事実です。
死亡した方の多くは、ある特定のエージェントに集中していて、それらのエージェントでは、死亡者だけでなく凍傷者やその他のケガ人も多く出しています。
これからエベレストを目指される方は、是非、ちゃんとしているエージェントを選んでください。
毎年のように死亡者を出しているエージェントには、潜在的な問題があり、近寄らない方が無難です。
料金が安くても、1回で登れなくて2回3回と回数を重ねるのでは、トータルで高くつきますし、死んでしまっては元も子もありません。
ちゃんと準備をして、ちゃんとトレーニングを積んで、経験豊富な良いシェルパと一緒に登山すれば、安全に楽しくエベレストに登ることができるでしょう。

写真は、2019年5月23日のエベレスト頂上の、ニマ・カンチャ・シェルパと私です。ニマ・カンチャ・シェルパとエベレスト頂上に立つのは、これで3回目です。

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